背景: 薬物・アルコール依存は、社会的な問題として深刻な影響を及ぼしています。薬物・アルコール依存者の回復プロセスには、身体的な治療だけでなく、心理的・精神的なサポートが必要です。音叉セラピーは、エネルギーの調和を促し、心身のバランスを整えることで、依存症治療の補完的な手段として注目されています。
目的: 本研究の目的は、薬物・アルコール依存回復支援センター入所者を対象に実施された音叉セラピーの施術効果を評価することです。
方法: 被験者は、薬物・アルコール依存回復支援センター名古屋ダルクの入所者25名を対象とし、合計69回の施術が行われました。症状は中～重度の薬物・アルコール・ギャンブル・窃盗依存であり、施術方法はオーラクレンズとチャクラアドジャスト（第１～第４チャクラ）でした。ヒアリング調査では、以下の設問に対して、したくない（ある）を０、したい（ない）を１０とした場合の数値変化で表されました。
１，今どのくらい対象物を使用したいですか？
２，これからの将来への不安感・不安ぐあいはどのくらいですか？
３，ご自分へ、どのくらい自信がありますか？
４，症状が治った自分をどのくらい想像できますか？
５，治ったらしたいことは、どのくらい現実になりそうですか？
結果: 施術後のヒアリング調査により、以下の結果が得られました。
１，対象物の使用への欲求に関して、平均で1.05ポイント「したくない」が増加した。
２，将来への不安感・不安に関して、平均で0.72ポイント「ない」が増加した。
３，自信に関して、平均で0.63ポイント「ある」が増加した。
４，症状の治癒を想像する能力に関して、平均で0.82ポイント「できる」が増加した。
５，治癒後の目標の実現可能性に関して、平均で0.38ポイント「なる」が増加した。
結論: 本研究において、名古屋ダルク入所者25名を対象に、合計69回の音叉セラピー施術を実施した結果、心理的・情緒的側面において以下のような肯定的な変化が認められました。
まず、対象物の使用欲求に対しては、施術後の評価で平均1.05ポイント「したくない」が増加し、衝動の抑制傾向が示されました。これは、音叉による振動が神経系へ穏やかに作用し、安心感や内的な落ち着きを促した可能性を示唆します。
また、「将来への不安感」については平均0.72ポイント「不安がない」方向へ変化が見られ、不安軽減に寄与する可能性が示されました。
さらに、「自己への自信」は平均0.63ポイント「ある」が増加し、「治癒後の自分を想像できるか」は平均0.82ポイント「できる」が増加。これは、セッションによって内的な自己イメージが肯定的に変化したことを示しています。
加えて、「治癒後にしたいことがどの程度実現可能と感じられるか」についても平均0.38ポイント「なる」が増加し、現実への前向きな意識が育まれている傾向が確認されました。
これらの結果から、音叉セラピーは、依存症の回復支援において感情調整・セルフイメージの再構築・将来ビジョンの形成といった心理社会的支援の一助となる可能性があることが示唆されます。
施術後の感想
・今やっていることとかを信じて、今の状況に感謝していこうと思った。
・チャクラとかは信じるのは今は感じないけど、スッキリした。
・セラピー中は寝ないつもりでいますが、どうやらいつも眠っているようです。
実際の自分自身の捉え方が他者から見た自分と差があることがよくわかるのが音叉セラピーです（僕にとって）。
・暖かくなる感覚（心身共）
・だいぶ体がスッキリした気がする
・頭の中がクリアになった気分。身体が少し軽くなった気がする。
お話をさせてもらう中で新たな気づきがあってよかった。
・お話しさせてもらっている時、納得することが多かったです。
体と心が軽くなった気がします。
・リラックスした気持ちになった。
・なんか不思議なことです。リラックスしました。
・少しリラックスした感じがします。
・音の世界の不思議さ。目に見えない、五感のようなものを大切に。
・心地よくて寝てしまいます。
・意識はあるのに寝ているらしい、、、ベールに包まれている感じがしている。
・頭の中に何か響いてくる感じがした。
・体が軽くなった感じがする。
・全体的に体が楽になっていると思う。
・腕がぴくぴくした。身体が引っ張られる感じがした。
・肘が痛くなった。
・話の中で強い共感があった。音の振動が気持ち良かった。今はスッキリしている。
改めて、まだ傷ついている自分がいることを認識して、今後の方向性、どのように自分の行動を変えていけばいいのかを少し掴めた気がする。
・身体じゃないところの振動。若干ポジティブになれた？
